語り賢者ごっこ

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夜中に神社いったら、陰キャに登山させる妖怪の山だった。

妖怪変化の類は特に経験はないが、興味が昔から強く、それなりに目を惹かれる機会も多い。

 

神社巡りとか、御百度参りみたいな高尚な趣味を持ち合わせてはいないが、ウォーキングやランニングついでに見掛けたらテンションが上がる程度には、神社は好きで、目的地に設定しては、特に何も起こらずに平凡な日々を謳歌するのである。

 

自粛期間中、夜中に神社目掛けて走ってる中年を目の前にした若者の姿そのものが、妖怪として捉えられてもおかしくないが、三密と、人の目を避けるにはそれしかない。

 

そんな中、急に思い立って行きたくなった場所があった。

昼間その道を通る時に、いやに気になる『鳥居』があり、度々夢に出てきては、何となく呼んでるような気もしたが、その欲求を近場の適当な神社で済ませる程度の間からの場所だった。

とんだ浮気ものというか、遠くの親類より近場の他人というか、度々遊びに誘ってはくれるが、電車の乗り継ぎがあるから微妙に億劫になるし、こっち来てくれるなら遊びたいんだけどな〜ってノリの友達ぐらいの距離感を醸し出す向こうが悪い。

 

しかしながら、一年以上顔すら合わせていない鳥居に、何かしら縁を感じたのか分からんが、その重い腰を上げてみた。

自粛中の欲求を満たす為に、『暇だし、会いに行ってみようかな』と思った。

つまりはそんな間柄。

思い出すと、性的欲求を満たすために、過去の女に連絡するタイプの男の心境に片足を踏み入れたみたいでなんだか嫌だが、当時は少し高揚していた。そこも含めて、正しく『男』、性別雄な日だったのだろう。

 

テンション上がる。

 

しかしながら、行ったことがない場所に一人で行くのも億劫だし、何より人と喋りたい欲求も強いので、友人Lに連絡。

二つ返事でOKを頂き(多少の驚きはあったかもしれんが)、いざ大雨の中彼をお迎えに。

 

 

すごい大雨。

 

ものすんごい大雨。

 

 

しかも、雷までなってるし。

 

何事か起きるかと思ったけど、何事も起きず合流。

その足で神社まで。

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暗っ。

なんも見えへん。

 

センス🙅🏻

パワプロなら首や、首。

打首、切り捨て御免。

 

めちゃくちゃでかいねん、ここ。

存在感も凄いし、大雨、雷も伴って、正しく『エモッッッ』の頂点。

 

写真を撮ったタイミングの天気は相変わらず、豪雨雷雨。

鳥居に書いてある文字、表札を見たら、『八天狗』の文字が。

 

どうやら、天狗さんの家系らしい。

苗字に数字が着くタイプ。

「三森」とかと同じノリだろう。

 

しかしまあ、呼んでるような好かしらんが、いざこの鳥居に近寄った時から、天候が落ち着く。

雷は奥でなってるが、入りやすいように水だけは止めたらしい。

道に水を巻いてた手を止めて、声を掛けてくれたのだろう

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うちはせんべいのおばちゃんのアレのイメージ。

天狗の所業と言われたら、腑に落ちるし、ずるいぞ、天狗。

土砂降りにするな。手を抜け。

 

 

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そこから、看板を見つけて突入。イザァ……

かなり暗い山道(この時点で0時レベル)。

雰囲気増し増し。

やるじゃん、天狗。

結構な暗い細道を抜け、いざ鳥居前に着いた時、車も入れない場所。

 

お互いに、天狗に憑かれたらこの場に置いていく契約を交わし突入。

 

 

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好こッッッ!!!!!!

いいじゃないか、いいじゃないか。

こういうのでいいんだよ、こういういうので。

 

雰囲気ばっちり。

気分は上々。

テンションブチアゲ。

 

 

 

 

ただし、そこから地獄。

 

 

山に反った石階段をひたすら上がる

 

 

上がる

 

ただ上げられる。

 

暗闇な上に知らない土地。

目的地の姿すら知らぬ我々に訪れたのは、ただの道。

答えすら知らず、歩かされる。

しかも雨上がりの山道故の悪道。

電気なんて存在せず、あるのは己の手のひらのスマホの灯りのみ。

ホラーならきっと切れるが、現実は現実、リアルだった。

 

何も起きない。

 

その間、成人男子2人が、天狗の伝説を知ってる限り喋る謎の空間。

 

亜空間というか、虚無である。

 

この間天狗が出たらどうなるんだろうか考えたが、四天王に辿り着くまで無駄に時間のかかる道中。

チャンピオンロード

 

 

しかも、我々は陰キャだ。

陰キャの体力を消耗させるだけの道を用意され、その先に待ち受けるボスとか、どのレベルのいやらしさだろうか。

まさに妖怪。ずるい。

 

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イメージとしてはこれだ。道で体力を使わせて、そのまま終わらせるオチ。

自分の手を下さず、会いに来いといった人間を山中で振り払うとか、どんな誘いやねん。

そりゃ、断られる。

 

 

そんなことを考えてたら、石碑前へ。

 

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えも!!!!!!!!!

 

こんなものでも目的地らしくて素晴らしい。

この時点で、タバコ陰キャ2人はダウン。

帰路に着くのである。

 

タバコのせいで役に立ちにくい肺には、もはやこれ以上の挑戦は不可能。

 

天狗の勝ちだ。

参った参った。

 

帰りもひたすらな道を下らせられ、下りだから、より危険な道を歩かされるのである。

帰りに『あれ?この道通ったっけ??』

とかいうイタズラの効力を考察しつつ、サラッと旅を終えた。

 

オチなんてなく、帰りのコンビニまでの間に、白い女が乗ることも、すれ違うことも無く、ドラえもんの桃太郎の回の回想するレベルには平凡だった。

呼んだくせに茶もない天狗には辟易だ。

 

鼻の一つや二つ見せてくれたらテンション上がるんだから、安いものだろ。

カラスの羽すらも落ちてないので、痕跡すらない。

 

まあ、ノリで急にDQNが押し入ってきたらそりゃ怖いよな。ゴメーヌ

 

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何一つ面白いことも無く、このままだとただのノリで山に昇っただけで、面白さにかける。

 

何かないかとTwitterを開いてみる現代っ子2人。(別にそこまでオチにこだわったわけではないが、癖で)

 

衝動だけみたら、ただのアホだし面白いかもしれんが、文にするなら何か欲しい。

 

 

 

 

過去ツイートを見てると、今までしっかりと自粛していた『天気の子』が出歩いている。

 

 

雨を憂いて、しっかり出歩いてる。

 

 

さすがすぎる。

 

 

場所が場所、時代が時代なら、何かしら伝承のひとつにはなれるのではないかと思うくらいの実力。

 

 

 

天狗が現れる時のイメージは雷らしいが、こいつは雨だ。

『雨の子』だ。

 

 

 

雨降ったら、そいつが出歩いてる。

お前のせいだと言うリプの雨も降り注いでいるが、雨が降ったら出現するようにも見えなくもない。

今回ばかりは、雨が『彼女』をツイッターランドへ呼び出したのだろう。

 

事象に名をつけるのが、妖怪や怪異の仕事なら、それを全うしてるが如く、だ。

 

 

 

 

案外、探してるものは近くにあるという話は本当なのかもしれない。